ギャラリーhakoでは、2011年12月、年末恒例の箱展が開かれました。一年の締めくくりに、多様な作家がそれぞれの「箱」を持ち寄り、小さなキャンバスに込めた世界を披露する場です。箱のサイズは手のひらに収まる程度から少し大きめまでさまざま。どの作品も限られた空間に無限の物語や美しさを詰め込もうとする作家たちの熱意が感じられます。
箱というキャンバス:素材と技法の広がり
会場には絵画、写真、コラージュ、本の挿絵、オブジェと多彩なジャンルが並びました。平面だけでなく、立体的な造形や仕掛けが施された箱も多く、見るたびに新しい発見があります。アクリルや水彩の細密な風景・人物画、銀塩写真やデジタルプリントのミニチュア写真、和紙や布、ビーズを使ったコラージュ、手製本のミニチュアブック、木片と針金を組み合わせた立体オブジェ――素材は実にさまざまです。
箱という枠組みがあるからこそ、作家たちは逆に自由を感じているように見えます。制約が創造性を刺激する好例でしょう。

作家たちの個性が光る小宇宙
12月の箱展には常連から初参加の若手まで幅広い顔ぶれが集まりました。各作家が「箱」という共通テーマに沿いながら、まったく異なるアプローチで作品を仕上げています。古びた木箱の内側に旅先で集めた切手や葉書をコラージュしてノスタルジックな空間を創り出した作家。透明なアクリル箱の中に光を通す素材を重ね、見る角度で表情が変わる作品を展示した作家。ギャラリーhakoの魅力は、こうした小さな作品を間近でじっくり鑑賞できること、加えて開かれるアーティストトークやワークショップで作家と来場者が直接対話できる距離の近さにあります(小さな箱が開く物語――ギャラリーhako 2011年2月展覧会)。
年末だからこそ味わいたい、箱の中の世界
年の瀬の慌ただしさの中で、小さな箱に閉じ込められた静かな世界に触れるのは心を落ち着ける良い機会です。手のひらサイズの作品の一つ一つに、作家の細やかな筆致や色彩へのこだわりがぎっしり。箱を開けるたびに広がる別世界は、絵本をめくるような楽しさがあります。

展示作品は購入して自宅に持ち帰ることもでき、インテリアのアクセントやクリスマス、新年のギフトとしても人気です。2010年9月の箱展でも、多くの来場者が作品を手に取り、作家と直接会話を交わす姿が見られました(2010年9月の箱展:多様なジャンルと作家が織りなす小さな世界)。
ギャラリーhakoの年末展は作品展示の場である以上に、作家と観客、作品が織りなす小さなコミュニティの場。箱の中の世界は、見る人それぞれに異なる物語を語りかけ、日常の中で忘れがちな想像力をそっと呼び覚ましてくれます。
